家を買うまでの流れを教えます

家を買うまでの流れを教えます

家を買うと決めたら、まず何から始めて、どのような手順で実際の購入まで進めたら良いのでしょうか。

家を買うタイミングはいつがよい?

家を買うタイミングは、自分の年齢や家庭の事情にもよると思いますが、欲しいと思った時に買ったほうがいいでしょう。確かに建売住宅の場合、2月〜3月に物件が増えるのは事実ですが、その分、金額が高いこともあります。

また、注文住宅では、施工する時期によって、入居したいタイミングに合わせることができない場合もありますので、計画的に進めることが重要です。

販売業者は1年で物件をオーナーに返さないといけないので、早く売るために値下げすることもあります。ただし、下がるまで待っていても、自分が買うより前に売れてしまうこともあるため、買い時の判断は慎重にしたほうが良いでしょう。

家を買うための年収・予算・頭金

家を買うためには、まず、予算を決める必要があります。自分がいくら払えるのかという金額によって、購入できる物件の条件も変わってくるのです。では、必要なお金はどのくらいでしょうか。立地や広さ、設備等にもよりますが、基本的な考え方を説明していきます。

年収と返済のバランスを考えて、家を買うための予算を決めましょう。住宅ローンの審査では、返済負担率(年間のローン返済額÷年収×100)は35%程度が上限です。しかし、ファイナンシャルプランナーなどが勧めるのは、より無理のない返済で、その負担率は「年収の25%以内・理想は20%以内」といわれています。

例えば年収500万円の場合、その20%の100万円を年間のローン返済額とすると、毎月の返済額は8.3万円となります。借入できる金額は、借入期間35年、金利1.5%とすると、約2,710万円、金利1.0%では約2,940万円となります。

月々の返済可能額や借入額は、「フラット35」のホームページにある「クイック・シミュレーション」などを利用すると、具体的な金額がシミュレーションできるので、試してみるとイメージがつかみやすいと思います。

<住宅ローンについて>

住宅ローンには2種類あります。金利が一定期間変わらない「固定金利」と、経済情勢に応じて金利が変わる「変動金利」で、どちらを選ぶかで毎月の返済額が変わってきます。「フラット35」は、住宅ローンの全期間にわたって固定金利が適用され、借入時に返済終了までの借入金利と返済額が確定するローンです。

家を買うには、物件価格だけでなく、税金、登記費用、住宅ローン手数料といった諸費用も必要となります。新築マンションの場合、諸費用は物件価格の3~5%前後。中古マンション、新築一戸建て、中古一戸建て、注文住宅の場合、諸費用は物件価格の5~10%前後が目安です。例えば、諸費用込みの総予算が3,000万円であれば、物件の価格は2,700~2,900万円くらいに設定するのがいいと思います。

住宅ローンの審査は、一般的に仮審査(事前審査)と本審査の2段階で行われますが、仮審査はより簡易なものになります。

家の種類と購入の流れ

新築、中古、注文住宅、それぞれによって買い方の流れが異なります。

〇新築マンション、新築一戸建て(建売住宅)

新築物件は、建物完成前に販売が開始されるのが一般的なため、実物を見ずに購入することになります。新築マンションの場合は、毎月の管理費や修繕積立金、駐車場利用料などの負担も考慮して予算を考えます。築年数が経過すると、修繕積立金が上がっていくことにも注意しましょう。

1.モデルルームの見学

家が完成している場合は実物を見学できますが、完成前の場合はモデルルームを見学します。マンションの多くは、実際の建設地とは別の場所にモデルルームを設置しているケースが多いです。

2.申込み・ローン仮審査

購入したい物件を決めたら、購入申込み(購入予約)を行いますが、人気の高い物件は抽選の場合もあります。また、この時点で5~10万円程度の申込金が必要なケースもあります。金融機関に住宅ローンの仮審査(事前審査)を申込みして、審査の通る可能性を確認しておきます。

3. 売買契約

不動産会社の宅地建物取引士から重要事項説明を受けて、売買契約を締結します。このとき、手付金(売買価格の5~10%前後)を支払います。契約後に自己都合でキャンセルした場合には、この手付金は返還されませんので注意が必要です。

建築中の新築マンションの場合は、フローリングや設備の色を選べたり、様々なオプション設備を付けられたりすることもあります。

4. 入居説明会・内覧会

新築マンションの場合は、建築中に入居説明会が行われ、入居までのスケジュールなどが説明されます。建物が竣工したら、内覧会で不具合がないか確認して、補修等が必要な箇所があれば改善してもらいましょう。

5. ローン本審査→ローン契約

住宅ローンの本審査を受け、審査が通ったら金融機関と住宅ローンの契約を結びます。

6. 引渡し

住宅ローンが実行され、代金を支払います。引渡日には指摘した補修箇所が指示通り直っているかをチェックしましょう。

〇中古住宅(マンション・一戸建て)

間取りや日当たりなど、実物を確認してから買えるのがメリットですが、中古マンションの場合は、月々の管理費や修繕積立金も考慮して予算を検討する必要があります。特に築年数の古いマンションでは、修繕積立金が高額になります。

1. 物件見学

物件を探し、予約をして内覧します。居住中の場合には、売主に住み心地などを質問できることもあります。

2. 申込み・ローン仮審査

物件を内覧して気に入ったら、購入申込みを行います。住宅ローンの仮審査(事前審査)を金融機関に申し込み、審査に通るかどうか確認しておきます。

建物の品質に不安がある場合には、契約前に第三者の専門家に住宅診断を依頼して、建物の欠陥の有無などを診断してもらうこともできます。

3. 売買契約→ローン本審査→ローン契約

不動産会社の宅地建物取引士から重要事項説明が行われ、売主と売買契約を締結します。あわせて、手付金と仲介手数料の半額を支払う必要があります。売買契約後、住宅ローンの本審査を受けて審査が通ったら、金融機関と住宅ローン契約を結びます。

4. 引渡し

金融機関に関係者が集まって手続きを行うのが一般的です。住宅ローンが実行され、売主に代金を支払い、諸費用の清算を行います。同日中に所有権の移転登記が申請され、カギが受け渡しされます。

〇注文住宅

好きなハウスメーカーを選び、間取りやデザイン、設備などを決めて家を建てます。自分の理想の家づくりが可能ですが、建築プランを決定するまで、コストがわかりにくい面があるので、注意が必要です。

1. 住宅メーカーを探す・土地を探す

資料請求や住宅展示場見学などをもとに、ハウスメーカーを選びます。各企業の説明をじっくり聞いて、良いメーカーを見極めることが重要です。住宅展示場に行く際には、事前に情報収集して、見学したいメーカーを選んでおくとスムーズです。また、一日に見学できるのは2~3社が目安となります。

好みのハウスメーカーが見つかったら、間取りプランや見積書の作成を依頼します。複数の企業から見積を取って、それぞれ提案内容をじっくりと比較検討するのがおすすめです。土地が決まっていない場合は、希望エリアの不動産会社に相談しておきましょう。ハウスメーカーが土地を紹介してくれるケースもあります。

2. 仮申込・ローン仮審査

住宅メーカーが決まったら、仮契約を結び、5~10万円程度の申込金を支払います。その後、間取りプランの修正や、設備のグレードを選んだりしていきます。住宅ローンの仮審査(事前審査)を金融機関に申込みます。

2. 工事請負契約→ローン本審査→ローン契約→着工

建築プランが決まったら、建築会社と工事請負契約を結びます。住宅ローンの本審査を申し込んで、審査が通ったら金融機関と契約します。着工金は「つなぎ融資」(住宅ローン借入前の土地の購入費や着工金の支払いなどへの融資)を利用して支払います。

3. 竣工、引渡し

工事の期間は、ハウスメーカーなら3~4カ月程度、工務店なら4~5カ月程度。竣工・引き渡しの時点で住宅ローンが実行されます。

家を購入する際に注意すべきこと

住宅は高い買い物です。失敗しないために注意すべき点がいくつかあります。

・家計に無理のない資金計画を立てる
・物件や見積は、複数を比較してから決める
・必ず自分の目で建物や立地、完成イメージを確認してから決める
・中古でも新築でも物件自体が問題のない建物であるかを確認する
・住宅ローンは事前審査に通っても、本審査で落ちるケースもありますが、ローンを解約すると手付金は返金されますので、違約金を払わせる悪徳業者に注意

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