リビングは1階と2階どちらがいいか

リビングは1階と2階どちらがいいか

そもそもリビングとは?

リビングとは、日本語でいう「居間」のこと。昔の日本では、ご飯を食べるのも寝るのも同じ部屋で済ませていましたが、戦後になると食寝分離の考え方が広まり、食事をする部屋と寝る部屋を別々にするようになりました。さらに居住空間が豊かになった高度経済成長期には、食事をする場所とは別にくつろぐ空間として、リビングが設けられるようになったのです。

居間の使い方は人それぞれですが、一般的にはテレビやソファを置いたりして、ファミリー世帯であれば家族団らんや来客をもてなす場、一人暮らし世帯であればテレビ鑑賞や読書などを楽しんだりする場として使用します。

くつろぎの空間であるので、通常は日当たりがよく、開放感のある位置に配置され、バルコニーにつながっていることが多いです。

戸建て住宅のリビングを1階にするか2階にするかによって、快適度や利便性、暮らし方が変わってきます。ライフスタイルに合った住宅を選びましょう。

1階リビングのメリット

現在、戸建て住宅のほとんどは、リビングが1階に配置されています。なぜ1階リビングが多いかというと、以下のようなメリットがあるからです。

・バリアフリー化に対応しやすい

「人生100年時代」といわれる現代、長生きすることを考えた場合、持ち家を終の住処とするならば、バリアフリー対策が必要となってきます。新築の時に手すりやスロープなどを付ける必要はありませんが、体力が衰えたり、車いすを使うようになった場合に対応できるようにしておくとよいでしょう。

・リビング階段が可能

リビングを1階に設けると、人気のリビング階段を選ぶこともできます。リビング階段は、リビング内に階段が設置された間取りで、リビングが広く見えるという視覚効果や、リビングを通らないと2階に上がることができないため、家族が自顔を合わせる機会が多くなるといった利点があります。

・庭を有効に活用しやすくなる

リビング前にウッドデッキを作るなどして、庭とリビングを一体的に使えるというメリットがあります。

1階リビングのデメリット

・プライバシーが確保しにくい

1階にリビングがあると、歩行者や近隣からの視線が気になります。視線をコントロールする植栽や目隠しフェンスなどが必要になってくるでしょう。

2階リビングのメリット

狭小住宅の場合は、2階にリビングを配置することが多いです。リビングが1階だと、隣の建物などで部屋が暗くなり、駐車場スペースがあると、リビングが大きく取れないからです。

・日当たりや眺望を確保できる

都内では、日当たりいいのは1階よりも2階であることが多い傾向があります。特に日当たりの悪い敷地の場合、リビングを1階にしてしまうと、冬場の日中に充分に自然光が入らないということになる上、暖房の光熱費もかさんでしまいます。日当たりが悪い敷地の家では、リビングは2階のほうがいいといえます。

2階リビングであれば、隣家が迫っていても空が見えるため、1階リビングよりも眺望を確保することができます。

・耐震性が高くなる傾向にある

住宅は、上に行くほど壁が少なくても安定するため、2階リビングだと必要な壁が少なくなり、無理なく間取りを作れます。その上、1階に寝室や子供部屋が配置されると、壁が多くなり、耐震性も高くなります。

・床上浸水の場合でも生活を維持できる

近年は、気候変動の影響で台風や大雨が増加しており、床上浸水も増えています。2階にリビング、浴室、洗面室が配置されている場合、1階までの床上浸水であれば、2階で生活を維持することができます。

2階リビングのデメリット

・バリアフリー化しにくい

2階リビングでは、バリアフリー化しにくいことが大きなデメリットです。階段を上らないとリビングに行けないのは老後の不安材料ですし、高齢になったら上りやすく安全な階段にしたり、2階だけで生活が完結できるようにして、階段の上り下りをする頻度を減らすなどの工夫が必要になってきます。また、事故などで車いす生活になる可能性もあります。その場合には、1階リビングへのリノベーションなどが必要になるでしょう。

リビングを1階にするのか2階にするのか、それぞれのメリットとデメリットを把握して、実際の生活をイメージしながら選択しましょう。

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